エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の基礎知識

エッセンシャルオイル(精油)はどうやって作られるの?

エッセンシャルオイル(精油)

素晴らしい香りで私たちに様々な恵みを与えてくれるエッセンシャルオイル(精油)ですが、どのような方法で作られるのでしょう?


エッセンシャルオイル(精油)を植物から抽出して生産する方法はいくつかあります。最も多く用いられる「水蒸気蒸留法」は10世紀~11世紀ごろには既にその方法が確立されていた歴史の古いものです。以下に6種類の代表的な精油生産法をご紹介しますが、現在一般に流通しているエッセンシャルオイル(精油)のほとんどは、1~3のいずれかの方法で抽出されたものです。

1. 水蒸気蒸留法

多くのエッセンシャルオイル(精油)がこの方法で抽出されます。原料植物を蒸留釜に入れて、そこに水蒸気を送り込みます。すると植物中にある精油成分が遊離、気化し、水蒸気と一緒に上昇します。この精油成分が混入した水蒸気を冷却層で冷却すると、液体に戻りますが、エッセンシャルオイル(精油)は水には溶けない性質を持ち、水よりも軽い(一部の精油は水より重い)ため、水とエッセンシャルオイル(精油)の2層に分かれて溜まります。ここから水と分離して取り出すことにより、100%純粋の精油(エッセンシャルオイル)を得ることができます。分離された水には、水溶性の芳香成分と微量の精油が残っており、芳香蒸留水(フローラルウォーター)として利用されます。水蒸気蒸留法は比較的安価な装置で行うことができますが、一方で原料植物が熱と水に晒されるため、この方法ではエッセンシャルオイル(精油)が抽出できない植物もあります。デリケートな成分を含む精油は、熱と水に反応して壊れてしまうためです。


エッセンシャルオイルの水蒸気蒸留

水蒸気蒸留装置の図

2. 圧搾法

オレンジグレープフルーツレモンベルガモットマンダリンゆずなど柑橘系果実の果皮からエッセンシャルオイル(精油)を抽出するときに用いられる方法です。オレンジの皮を手で二つに折って押しつぶすと、液体が飛び散りますが、これがオレンジの精油そのものです。柑橘系の精油を蓄えている油胞(精油が溜まっている袋)はハーブや花の油胞と比べるとはるかに大きいため、圧搾するだけで簡単に精油を抽出することができます。昔は手作業で果皮を絞っていましたが、現在はローラーや遠心分離器などの機械を使っています。圧搾法は、水蒸気蒸留法と異なり、熱による影響を受けないため、デリケートな成分を損なうことなく新鮮な香り成分を取り出すことができるという利点があります。

3. 溶剤抽出法

水蒸気蒸留では、熱や圧力、水分によって精油成分が壊されてしまうようなデリケートな植物に使われる方法です。温めた揮発性の溶剤に原料植物をいれると、精油成分が他の物質と一緒に植物から出てきて固り、コンクリートと呼ばれる物質になります。コンクリートにエタノールを作用させて精油分を分離した後、低圧をかけてアルコールを蒸発させて精油を得ます。溶剤抽出法で得られたエッセンシャルオイル(精油)のことを、アブソリュートと呼びます。アブソリュートは、熱や水によって精油成分が損なわれることがないため、非常に美しい香りがします。例えば、ローズには水蒸気蒸留法で抽出されるローズ・オットーと、溶剤抽出法で抽出されるローズ・アブソリュートがありますが、香りのみを比較した場合は、ローズ・アブソリュートのほうが美しく、勝っています。

4. 油脂吸着法・・・アンフルラージュ法(冷浸法)

アンフルラージュ(冷浸法)は、溶剤抽出法が一般的になる以前に、ジャスミンチュベローズなど、水蒸気蒸留法では熱により壊れてしまうようなデリケートなエッセンシャルオイル(精油)を抽出するのに用いられていた方法です。ガラス板にラード(豚脂)やヘット(牛脂)などの動物性の脂を塗り、その上に原料植物を並べます。しばらく放置して、香り成分が脂に吸着したら、原料を新しいものに取替えます。これを何度も繰り替えすと、香り成分が多量に含まれた「ポマード」と呼ばれる脂ができます。このポマードにエタノールを混ぜ、香り成分をエタノールに移した後、エタノールを蒸発させて精油を得ます。

アンフルラージュは、フランスのグラースなどで、かつては盛んに行われていましたが、非常に多くの人手を要し、製造コストがかかることから、溶剤抽出法にとって代わられました。現在では、観光客に見せるアトラクションとして行われている程度で、商業的には実用されていません。

5. 油脂吸着法・・・マセレーション法(温浸法)

60℃~70℃の高温に熱したラードやヘットを使って香り成分を取り出します。やり方はアンフルラージュと同じです。この方法もやはり現在では実用されていません。

6. 超臨界抽出法(液化二酸化炭素抽出法・CO2蒸留法)

1970年代に開発された新しいエッセンシャルオイル(精油)の抽出方法です。開発当時は、革命的に優れたエッセンシャルオイル(精油)の抽出方法として大きな注目を集めましたが、非常に大掛かりな設備を必要とし、コストが掛かるため、期待されたほど普及していません。超臨界抽出法では、二酸化炭素のように、圧力をかけると液化する気体を溶剤として使用します(二酸化炭素を溶剤として使う場合、「液化二酸化炭素抽出法」「CO2蒸留法」とも呼ばれます)。二酸化炭素に超高圧をかけ、気体と液体の中間の超臨界状態にします。この状態に置かれた二酸化炭素は精油成分を強く吸着します。その後、圧力を緩めて再び二酸化炭素を気化すると、エッセンシャルオイル(精油)分だけが残ります。超臨界抽出法を用いると、水蒸気蒸留では分子が大きすぎて取り出すことのできない成分も抽出することができるため、自然の植物中に存在している状態に極めて近い形のままの上質なエッセンシャルオイル(精油)を得ることができます。当店扱いエッセンシャルオイル(精油)の中ではカルダモンクローブバッドがこの方法で生産されています。



ページの先頭へ戻る
COPYRIGHT © エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)のお店 Tea-treeの森 All rights reserved.
ad