エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の基礎知識

〜 初級編 〜
3. 植物にとっての精油の役割

エッセンシャルオイル(精油)

私達に様々な恵みを与えてくれるエッセンシャルオイル(精油)ですが、植物はそもそも何故精油を生体内に生産するのでしょうか?実のところ、植物にとってエッセンシャルオイルがどういう役割を果たしているかについては、現在でもまだまだ未解明の部分がたくさんあります。はっきりしたことは判っておらず、学者の間でも意見の分かれるところです。中には、植物にとってエッセンシャルオイル(精油)は単なる老廃物で、何の目的も役割も持っていないという人もいるようですが、実際に植物内でエッセンシャルオイル(精油)がどのように働いているかをみてみると、あまり説得力のある説とはいえません。


植物は、生存競争を勝ち抜いていくための非常に重要な道具として、エッセンシャルオイル(精油)を体内に生産し、その香り成分の持つ作用を様々な形で利用しているようです。動物と植物の大きな違いの一つは、動くことができるかできないかという点です。動物は天敵に襲われたときに、走って逃げたり、反撃して敵を倒したり、声で威嚇することができます。また、水浴びなどで身体を清潔に保って、やっかいな細菌の増殖を抑えることができます。誰かに何かを伝えたいとにきは、声を出したり、身振りでコミュニケーションをとることができます。こうしたことのできない植物は、代わりにエッセンシャルオイル(精油)の香りやその作用を以下の例のように巧みに利用しているようです。

1. 鳥や昆虫を引き寄せて、繁殖に役立てる(誘引効果)

植物は、昆虫や鳥などに受粉を助けてもらったり、種子を遠くへ運んでもらったりすることが良く知られています。花や果実に含まれているエッセンシャルオイル(精油)の魅力的な香りは、こうした動物を引き寄せる役割を果たしています。

2. 害虫、害獣を寄せ付けないようにする(忌避効果)

逆にエッセンシャルオイル(精油)の中には、害虫や鳥が嫌がる香りのものがあります。こうした動物を遠ざけ捕食されるのを防いでいると考えられています。シトロネラなど、一部のエッセンシャルオイル(精油)が虫除けに利用できるのは、この効果を持つためです。


エッセンシャルオイル(精油)の虫除けについて、より詳しくは
→「初級編 アロマで虫除けできるのは何故?

3. 有害な菌やカビなどから身を守る

エッセンシャルオイル(精油)の中には菌やウイルス、カビなどを殺したり、増殖を抑えたりする働きをもつものが数多くありますが、これは植物自身が有害な菌やカビに侵されるのを防いでいると考えられています。

4. 生存競争の相手を妨害する

生存競争の相手である他の植物の生育を阻害する働きのある成分を含むエッセンシャルオイル(精油)もあります。マツ葉に含まれるエッセンシャルオイル(精油)(パイン)には、この成分が含まれており、地面に落ちて、他の植物の成長を妨げていると考えられています。マツ林には、あまり下草が生えず、見通しの良い風景が続いていることが多いですが、これはマツ葉の精油の働きが関係しています。

5. ホルモンのような働き

まだ未解明な部分ですが、人間のホルモンのように、植物の体内で生理活性物質として働いているエッセンシャルオイル(精油)もあると考えられています。

6. 暑さから身を守る

エッセンシャルオイル(精油)を蒸発させることで、冷却効果を得て、暑さから身を守る働きもあるようです。



おそらくここに挙げた以外にも、エッセンシャルオイル(精油)には沢山の働きがあり、今後少しずつ解明が進んでいくことでしょう。アロマテラピーでは、植物の作り出すエッセンシャルオイル(精油)の持つこうした有用な働きを、人間が分け与えてもらっているといえることになります。



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