エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の基礎知識

〜 初級編 〜
2. 学名が書かれている理由

エッセンシャルオイル(精油)

アロマテラピー用に生産されたエッセンシャルオイル(精油)には通称名(例えば「ラベンダー」「ローズマリー」などの一般に使われている名前)に併記して、ラテン語の学名(「Lavendula angustifolia」「Rosemarinus officinalis」など)が必ず書かれています。 アロマテラピーでエッセンシャルオイル(精油)を使用する際には、学名が大変重要な意味を持ちます。学名の書かれていないものは、そもそもアロマテラピーに使用するには、品質面で信頼できないと判断して差し支えありません。


これには、大きな理由があります。植物の通称名は、一つの名前が、国や地域によって違う種類の植物を指すことがあったり、逆に同じ植物が違った名前で呼ばれていることがあります。また、同じ名前で一括りに呼ばれている植物の中に、異なるいくつかの植物種や亜種が含まれていることもあります。植物が違えば、得られるエッセンシャルオイル(精油)の香りや働き、更には使用時の安全性が大きく異なってくる場合もあります。こうしたことから、アロマテラピーで使われるエッセンシャルオイル(精油)は、学名によってその精油がどの植物種から抽出されたものであるかを正確に示す必要があるのです。


たとえば、「ラベンサラ」と呼ばれる植物がありますが、「ラベンサラ」には学名で「Ravensara aromatica」(ラベンサラ・アロマティカ)というものと「Ravensara anisata」(ラベンサラ・アニサータ)というものがあります。「Ravensara aromatica」(ラベンサラ・アロマティカ)のエッセンシャルオイル(精油)は当店でも販売しているものですが、用途がとても広い上、安全性が非常に高く、アロマテラピーにおいて大変有用な精油です。一方で、「Ravensara anisata」(ラベンサラ・アニサータ)から得られるエッセンシャルオイル(精油)は、発がん性があるとされる成分を含んでいるため、アロマテラピーでは一切使用してはいけないものです。


近年、アロマテラピーの普及に伴うエッセンシャルオイル(精油)の需要の増加から、こうした安全性についての知識を持たない業者が、インターネットなどで「Ravensara anisata」(ラベンサラ・アニサータ)のエッセンシャルオイル(精油)を販売している例が実際に見うけられますので、注意が必要です。


その他、ヨーロッパでシダー(Cedar)またはシダーウッド(Cedarwood)といえば、通常マツ科のシダー・アトラス(学名 Cedrus atlantica) を指しますが、アメリカでシダーと言えば、ヒノキ科のシダー・バージニアン(学名 Juniperus virginiana)のことです。シダー・アトラスは、まったりとした甘い香りでサンダルウッドにやや似ていますが、シダー・バージニアンは、ヒノキ調の強い木製の香りがします。香りも用途も大きく異なります。


「ラベンダー」という名前で呼ばれる植物にも複数の種類があり、エッセンシャルオイル(精油)も「真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)」「スパイクラベンダー(Lavandula latifolia)」「ラバンジン(Labandula intermedia)」「ラベンダーストエカス(Lavender Stoechas)」の4種類が生産されています。アロマテラピーで通常「ラベンダー」と言う場合、「真正ラベンダー(Lavandula angustifolia」)のことを指します。他の種類のものを使っても、期待する効果を正しく得ることはできません。(「真正」とは「本物の」という意味で、他の種類のラベンダーと明確に区別するために頭に付けられているものです)


アロマテラピーにおいて、正しい効果の期待できるものを安全に使うために、エッセンシャルオイル(精油)の学名表示は不可欠なものとなっています。



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