お肌に使う場合、
ローズ・オットー、ローズ・アブソリュート
どっちが良いの?

ローズ・アブソリュート)

ローズ(バラ)のエッセンシャルオイル(アロマオイル・精油)には、ローズ・オットーローズ・アブソリュートの2種類があります。この二つのオイルの違いは生産方法です。ローズ・オットーは水蒸気蒸留法という方法で、ローズ・アブソリュートは溶剤抽出法という方法でエッセンシャルオイルオイル(精油)をバラの花から抽出します。(詳しくは → エッセンシャルオイルの製造方法について


水蒸気蒸留法で抽出されるローズ・オットーは、分子量の大きな成分が蒸留されない(取り出すことができない)上、一部の成分は蒸留の際の熱の影響を受けて損なわれます。これに対して、ローズ・アブソリュートの溶剤抽出法では、水蒸気蒸留では取り出すことのできない成分も抽出できる上、熱による成分の損傷がなくデリケートな香り成分もそのまま取り出すことができます。ローズ・アブソリュートは大変鮮やかでくっきりとした美しい香りになります。 香りの美しさという点では、ローズ・アブソリュートのほうが、ローズ・オットーより勝っていると言って良いでしょう。


一方で、溶剤抽出法はその名前の通り抽出時に溶剤を使用するため、微量の溶剤がオイルに残っている可能性が否定できず、その悪影響を心配する人もいます。製造の最終工程で溶剤は取り除かれますが、100%完全に取り除くことができていない可能性も残るためです。単に香りを楽しむ芳香浴での使用であれば気にする必要はありませんが、アロマトリートメント(マッサージ)などで肌に使って良いのかどうか不安になる方も多いようです。


「ローズ・アブソリュートを肌に使用して良いのか?」


この点に関しては、アロマテラピーの関わる専門家の間でも意見は分かれます。


アブソリュートの使用を否定する人は「自然の材料ををのままの形で利用するアロマテラピーにおいて、わざわざ人口的な成分が残っている可能性のあるものを使う必要はない。ローズ・オットーがあるのだから、ローズ・オットーを使うべきである。」と主張します。


一方で、アブソリュートを使っても良いと考える人は、「製造工程の中で溶剤は取り除かれてる。確かに残留している可能性は残るが、仮に残留していたとしても検査で検出できなくぐらい微量である。使用時には、それをさらにキャリアオイルで1%程度に希釈するのだから、身体に対する影響はないと考えて差し支えない。ローズ・アブソリュートを忌避することによって、せっかくの美しい香りの効用をトリートメントの際に得られないのはもったいない。」と考えます。


どちらの考え方に説得力を感じるかは人によって違うと思います。一概にどちらが正しい、間違っていると言うことはできないでしょう。ただ、事実として、市販されている化粧品に配合されているローズ油には、アブソリュートも昔から世界中で広く使われています。ローズ・アブソリュートが化粧品原料として、これまで問題を起こしたということはありません。ローズはブルガリア、トルコ、モロッコ、南仏などが主産地ですが、中でも気候的に最も上質の香りのローズが育つのはブルガリアだと言われています。化粧品の原料としてもブルガリア産のローズは世界中で広く使用されていますが、実はブルガリアにおけるローズ油の生産方法は溶剤抽出法が主流です。こうしたことも、ローズ・アブソリュートを使っても問題ないと考える人の根拠の一つとなります。ローズ・アブソリュートの肌への使用は避けるべきと考えている人も、知らず知らずのうちに化粧品を通じてローズ・アブソリュートを肌に使っているかもしれません。


お客様からも「ローズ・アブソリュートをお肌に使っても良いのか?」というご質問は時折頂戴しますが、上記のような事実を理解して、それぞれのユーザーがどちらを使うのか決めて頂けると良いと思っています。


その上で最後に当店の考え方はどうか?ということを一応書いておきますと、上で書いたことと矛盾するとお感じになるかも知れませんが、「お肌にはローズ・オットーを使っておいたほうが良い」というものです。


「ローズ・アブソリュートをお肌に使っても良いのか?」というご質問をされる方は、その時点で既に溶剤のことが気になっているわけです。精神的に心地よくリラックスしてエッセンシャルオイル(精油)を使用することが大切なアロマテラピーにおいてそうした心配を引き起こすものを使っていては、例え実際には問題がなかったとしても適切な効果が得られなくなってしまうかもしれません。当店でもローズ・アブソリュートを使用することには、実際には問題はないと考えていますが、そうした事実とは無関係に「気になる人」はもうその時点で、アブソリュートは避けてローズ・オットーを使用したほうが良いと考えるわけです。


香りとしてはローズ・アブソリュートのほうが勝っていると上で書きましたが、もちろんローズ・オットーの香りも素晴らしものです。アブソリュートのような「香りの鮮やかさ」は ローズ・オットーにはありませんが、逆にその「柔らかい香りの雰囲気の複合的な香り」が好みという人も沢山いると思います。ローズ・オットーは成分的にも「女性的領域」で力を発揮していくれるエッセンシャルオイル(精油)ですので、トリートメントでも心地よくご使用いただければ、大変役立ってくれると思います。



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