アロマのやさしさ スキンローション開発物語

4. 植物性の抗菌成分を使えばOK?

ところが、ここで注意が必要です。あたり前のことですが、防腐剤を使わずに、開封後も最後まで菌が繁殖せず安定している化粧品を作るのは簡単なことではありません。デリケートな天然由来の素材を原料に使う場合は特にそうです。

菌の繁殖した化粧水を使うことは、防腐剤そのものよりも更に大きなダメージをお肌に与えてしまいます。そんなものを使うのであれば、防腐剤の入った化粧水のほうがましです。

「アロマのやさしさ スキンローション」の商品開発には、ヘチマ畑の視察を行ってから1年半近い時間がかかりました。これほど時間がかかってしまった理由のひとつは、天然素材を多く使いながらも、防腐剤を一切使わないで、いかに十分な安定性のある商品を完成させるかという点に苦労したからです。

市販されている「防腐剤無添加」の化粧水の多くが、防腐剤不使用でも腐らない理由としているのが「抗菌性のある植物素材を使っているから」というものです。確かに「ローズマリーエキス」など、高い抗菌性を示す植物素材はいくつかありますが、抗菌性のある植物素材を配合すれば腐らなくなるといった単純な話であれば、世の中の化粧水のほとんどは防腐剤無添加になっているはずです。

化粧品は、開封後も最後まで品質が変化せず、安全に使えるように製造することが法律により求められています。各化粧品会社は防腐剤フリーでも、この基準を満たせるように考えて製品を作っているはずですが、実際には充分な安定性を備えていないのではないか?と疑わざるを得ない例も見受けられます。

「防腐剤無添加の商品を使っているうちに、匂いが明らかに変化してきた」
「最初は大丈夫だったのに、使っている途中からお肌にブツブツが出始めた」

といった話を耳にすることがあります。そうしたものは、植物性の抗菌成分に頼るだけで、それ以外の対策が不十分で、化粧品としての安定性が充分備わっていない可能性があります。

お客様のご家庭での化粧品の保存状態は様々です。温度や湿気、開封頻度も異なりますし、知らずに汚れた手で瓶の口に触れてしまうこともあるかもしれません。こうした事情を考えると「最後まで安全に使える」という基準は、実は結構あいまいなものだということが分かります。どの程度しっかりした安定性を確保するかについては、各化粧品会社の自主的な基準に任されています。

残念なことに、意識の高まった消費者にアピールすることを焦ってか、植物性の抗菌成分を配合するだけで「防腐剤不使用」に安易に走り、安定性が充分とはいえない商品も市場には存在するようです。

化粧水は腐敗が進むと、匂いが明らかに変化する、ガスが発生する、白く濁るなどの変化が起こります。変化が起こった時に、使用を中止すれば大丈夫なのでは?と思われるかもしれませんが、その時点では、既に1ml辺り約1000万個もの菌が繁殖している状態です。変化が目に見えてから使用を中止しても、遅いということになります。

「防腐剤無添加、天然由来の素材」だからお肌に良いと思って使っていても、化粧品としての安定性がなければ、知らない間にお肌にダメージを与えているかも知れないのです。残念ながら、植物性の抗菌成分で防腐剤と同程度の強い力とスタミナのあるものは、見つかっていません。

「アロマのやさしさ スキンローション」にも植物性の抗菌性成分は配合しています。もちろん、それは重要な対策ではありますが、安定した商品を作るために必要なことの一部でしかありません。

厳格に衛生管理されたクリーンな環境で製造を行うという当たり前のこと以外にも、「アロマのやさしさ スキンローション」は、様々な製造上の対策を行って、防腐剤フリーでも安定した商品を作り出しています。

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