エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の基礎知識

〜 上級編 〜
6. 精油の引火性(可燃性)について

エッセンシャルオイル(精油)

エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の引火点

エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)には、「芳香性」「脂溶性」「揮発性」と並んで「可燃性」という特性があります。要するにエッセンシャルオイルは「火がついて燃える」性質があるということです。


では、エッセンシャルオイル(精油)というのは、どのぐらい燃えやすいのでしょうか?以下に示すのがエッセンシャルオイル(精油)の引火点の一覧です。


一番低いフランキンセンス(乳香)は32℃とかなり低くなっていますので、これを見て驚かれる方もいると思います。夏場の日本では、気温が30℃を超える日はいくらでもありますので、エッセンシャルオイル(精油)を家に放置しておくのは危険では?と思われる方もいるかもしれませんが、「引火点」は「発火点」とは異なりますので、そのような心配は必要ありません。


「発火点」は「自然発火」という言葉があるよに、火気がないところで放っておいた場合に発火する温度のことです。その温度になると、勝手に燃え出すということになります。一方で「引火点」は、気化して空気と混ざり合わったものが、発火源(火花や裸火)に触れると燃焼する温度です。


つまり「引火点」を上回る温度であっても、エッセンシャルオイル(精油)の瓶の蓋を閉めておけば、燃え出すことはありません。また仮に蓋が空いていても、火気に触れることがなければ大丈夫です。(逆に引火点を下回っていれば、気化したものが火気に触れても燃え出すことはありません。)


エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の引火点 一覧表

エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の引火点 一覧表
引火点
フランキンセンス 32℃
ジュニパー・ベリー 33℃
サイプレス 37℃
ナツメグ
パイン(ヨーロッパアカマツ)
38℃
ユーカリ 38~51℃
セージ 41℃
オレンジ・スイート 43~45℃
マンダリン 43~46℃
レモン 43~50℃
カユプテ 45℃
ブラックペッパー(黒コショウ精油) 47~58℃
ローズマリー 49℃
マージョラム・スイート 54℃
タイム
ジンジャー
55℃
ティートゥリー 60℃
カモミール・ローマン
ベルガモット
58℃
ネロリ 59℃
メリッサ・トゥルー 60℃
イランイラン 65℃
クローブ・バッド
パチュリー
ベチバー
65℃以上
ペパーミント 67~70℃
プチグレン 68℃
バジル
ラベンダー
75℃
クラリーセージ
ゼラニウム
77℃
ローズ・オットー 100℃
サンダルウッド 100℃以上
シダーウッド・アトラス 110℃

では、仮にエッセンシャルオイル(精油)の蓋があいて揮発していたり、アロマランプやアロマディフューザーで積極的に室内に香らせていた場合はどうでしょう?


そういう時に、たまたま夏場で気温が引火点より高く、且つ台所のコンロを使っていた場合は、火がつくのでは?ということになります。


確かにそうなのですが、部屋に揮発している精油成分は極めて微量です。燃え出すには、やはり一定以上の濃度が必要になりますので、ご家庭でのご使用でそうした濃度に達することは通常は考えられないでしょう。


エッセンシャルオイル(精油)の引火性に関しては、ご家庭での通常のご使用に限れば、それほど危険が生じる場面はありませんので、過度の心配は不要ですが、もちろん台所のコンロの近く等、火気の近くにエッセンシャルオイル(精油)の瓶を置いたりするのは、品質保持の観点も含めて避ける必要があります。



※アロマテラピーサロンで、トリートメントの後にオイルをふき取るために使ったタオルを洗濯した後、乾燥機に入れて火災が発生するという事故が過去に数件発生しています。


これはエッセンシャルオイル(精油)ではなく、タオルに染み込んで一定量残っていたキャリアオイル(植物油)が、乾燥機の中で発火点を超えて燃え出したことが原因と考えられていますが、トリートメントオイルをふき取ったタオルなどは、乾燥機に入れないように注意が必要です。



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